私はどこへ行ったんだろう
関係の中で自分が消えていく感覚
READ TIME 06MINある日ふと、最近自分が何を好きだったか思い出せなくなることがあります。
好きだった音楽、ひとりで過ごしていた時間、言いたかったこと。ある時からそういうものがぼやけていました。
代わりにその場所に、相手の好み、相手のスケジュール、相手の機嫌が入り込んでいます。
最初は自然なことのように感じられます。近づくほど、互いに合わせていくのだと。でも、合わせるのがいつも自分のほうだったら?
言いたいことを我慢して、自分が行きたい場所ではなく相手が楽な場所に行き、自分が居心地悪くても雰囲気のために大丈夫なふりをします。
関係の中で自分を縮めることは、思いやりのように見えるけれど、長くなれば自分自身を失うことになります。
健全な関係は、自分が小さくならなければ保てないような関係ではありません。自分もいて、相手もいる、ふたりで一緒にいる関係であるべきです。
いまこの関係の中で、あなたはどれくらい残っていますか?
自分を縮めるのが当たり前になるとき
最初は小さな譲歩だったはずです。メニューを譲り、観たい映画を後回しにし、言いたいことを一度のみ込む。ひとつひとつは大したことではありませんでした。でもその譲歩が初期設定になると、いつのまにか自分の好みや意見を思い出すこと自体がぎこちなくなります。
もっと危ういのは、それが衝突のない「いい関係」のように見えることです。本当は一人がずっと自分を消しているから静かなだけなのに。心地よさと、自分を失うことは違います。
消えた自分をもう一度見つける方法
大げさである必要はありません。ごく小さなことから自分にもう一度問いかけてください。「いま何が食べたい?」「今日は何をしたら気分がいい?」。相手ではなく、自分を主語にした問いです。
ひとりで過ごす時間を意図的につくるのも助けになります。その時間に罪悪感が湧くなら、それだけ長く自分を後回しにしてきた証拠です。好きだったものをひとつ取り出すだけでも、ぼやけていた自分が少しずつくっきりしてきます。
関係の中で自分を守る練習
自分を守ることは、相手を押しのけることではありません。小さな正直さを練習することです。「私はこっちのほうが好き」「今日はこれはちょっとしんどい」という一言から。
健全な人なら、あなたが意見を言ったくらいで離れていきません。むしろ本当のあなたを知って、関係はもっと深まります。もしあなたが少し正直になっただけで揺らぐ関係なら、それはあなたが消えてこそ保たれていた関係だったのかもしれません。
自分を守りながらも一緒にいられてこそ、本当に近い間柄です。あなたは関係の中で小さくならなくていいのです。